ENEOS株式会社導入事例

製油所で、10年以上選ばれる第三者保守ENEOS株式会社 川崎製油所のEOSL対策とは?

企業名
ENEOS株式会社

対象システム
製油所内で稼働する制御系システム/出荷システム他

保守対象機器
Dell製ストレージ、サーバー、ワークステーション

導入時期
2014年〜

導入前の課題
・共有ストレージ機器がメーカー保守期限(EOSL)を迎えていた
・リプレース計画が進まず、既存システムを継続利用する必要があった
・出荷システムを支えるITインフラを止められない状況だった
・メーカー保守期限と機器更新スケジュールにズレがあった

導入後の効果
・既存システムを10年以上継続利用
・メーカー保守と大きな差を感じない対応品質を実感
・保守コストを抑えながら、運用継続の選択肢を確保
・リプレース時期や投資判断の自由度が向上

お話を伺った方
森元 識貴氏(ENEOS株式会社 川崎製油所 制御システムグループ/グループマネージャー)
佐藤 直樹氏(ENEOS株式会社 川崎製油所 制御システムグループ システムエンジニアリングチーム/チームリーダー)
小竹 和巳氏(ENEOS株式会社 川崎製油所 制御システムグループ システムエンジニアリングチーム/チーフスタッフ)

ENEOS川崎製油所の制御システムグループは、出荷システムをはじめとする基幹システムのストレージやサーバーの保守に、データライブの第三者保守を活用しています。24時間稼働する製油所では、ガソリンや軽油などの石油製品を出荷するシステムが重要な役割を担っています。その安定運用を支えているのが、製油所内のストレージやサーバーなどの情報基盤です。

きっかけは2014年頃。製油所内で稼働する制御系(OT:オペレーショナル・テクノロジー)システムを支えるストレージやサーバーのメーカー保守が終了する一方で、リプレース計画は思うように進まず、しかしシステムは止められないという状況でした。

そこで、機器をすぐに入れ替えるのではなく、第三者保守によって既存システムを使い続けることを検討。複数社を比較し、他社では対応が難しかった対象機器まで保守対象とできる対応力と、コスト面の優位性から、データライブ株式会社(以下、データライブ)を採用しました。以来10年以上にわたり、契約を更新し続けています。取材時点での保守対象はDell製のサーバー機器を中心に約200台。メーカー保守と大きな差を感じない対応品質と、コスト面でのメリットを実感しているといいます。

本事例では、ENEOS株式会社 川崎製油所 制御システムグループの皆様に、第三者保守を導入した経緯や10年以上にわたり継続利用されている理由、実際の運用や導入後に感じている効果についてお伺いしました。

なぜ、止められないシステムに第三者保守を選んだのか

——まず、制御システムグループがどのような役割を担っているのか、また第三者保守の対象機器を教えてください。

小竹氏 私たちは、製油所内で稼働している制御系(OT:オペレーショナル・テクノロジー)システムの保守や運用を主体に、サイバーセキュリティ対策も担当しています。現在、データライブに第三者保守を委託しているのは、その制御系システムを支えるDell製のストレージやサーバー、ワークステーションといった情報基盤になります。

——第三者保守は、どのような経緯で検討されたのでしょうか。

小竹氏 当時の担当者からは2014年頃と聞いていますが、出荷システムの中核で使っていた共有ストレージ機器が、メーカーの保守期限を迎えることになりました。ですが、そのタイミングでリプレースの計画が思うように進まなかったようです。しかし、出荷に関わるシステムは一時たりとも止めることができず、非常に困っていた状況でした。そんなとき、担当者が人伝いに第三者保守という選択肢があると聞き、検討に至ったそうです。

左から、森元氏、小竹氏、佐藤氏

価格だけではない、10年以上続く信頼

——数ある選択肢の中で、データライブを選んだ決め手は何だったのでしょうか。

小竹氏 当時は、3社ほど比較検討したと聞いています。その中で、問題になっていたDell製の共有ストレージを保守対象として提案できたことが、データライブを選ぶ大きな理由になったそうです。しかも、費用面も想定より抑えられたため、それらが決め手になったようです。

——第三者保守というサービスは、ご存じでしたか。

小竹氏 正直なところ、この部署に来るまで存在自体を知りませんでした。メーカーの保守が切れる前にリプレースするというのが、当たり前だと思っていたんです。ですが、実際にデータライブの第三者保守を利用してみて、メーカー保守と大きな差を感じない対応品質だと分かってからは、認識が変わりました。既存システムを長く使えるのは利点だと感じましたね。

——10年以上、選び続けている理由はどこにありますか。

小竹氏 やはり価格面は魅力です。ただ、毎年利用し続けている理由はそれだけではありません。営業担当の方には年に数回来所いただき、対面でお話しする機会があります。更新計画や市場の動向、対象機器の見直しなど、こちらの状況を踏まえて一緒に考えてくださいます。メールや電話へのレスポンスも早く、日々のやり取りでも助かっています。そうした積み重ねが安心感と継続につながっています。

重要度で使い分ける、無駄のない運用体制

——現在、どのような形で第三者保守を利用されているのでしょうか。

小竹氏 システムの重要度に応じて、サービスを使い分けています。出荷システムのように、絶対に止められない領域は24時間365日の保守にしている一方で、社内で完結できるITインフラなどは、平日の日中帯だけの保守プランにしています。

——保守対象のシステムに不具合が起きたとき、社内でどのような対応をされていますか。

小竹氏 システムチームが障害を検知したら、データライブのコールセンターへメールで連絡し、緊急時には電話で問い合わせをします。実際に多いのは、重大なトラブルよりも消耗部材の交換です。特にハードディスクは頻度が高く、次いで、ファンや基板のコイン電池といった、経年で劣化する部品です。

——部品交換が必要になった場合、どのような対応をされているのですか。

森元氏 交換しやすい部品の場合、データライブからパーツの供給を受けて、自分たちで交換することもあります。その方が、システムが止まっている時間を短くすることができますから。一方で、CPUやメモリ、マザーボードといった精密な部分は、データライブに対応をお願いしています。

変わらない品質と、広がる選択肢

——実際に使ってみて、第三者保守への印象は変わりましたか。

森元氏 使い始める前は、「メーカー保守に対して、どれくらいの質を確保できるのか」と少し不安もあったんです。ですが、私は他の製油所にいたときにデータライブに故障対応をしていただいたことがあり、そのとき保守の質は「ほぼ変わらない」と実感しました。何か問い合わせをした際は、技術的にも的確な回答が返ってきますし、必要なら追加で詳しい説明もしてもらえます。何より、コストパフォーマンスには驚きました。

——コスト面では、どのような変化がありましたか。

小竹氏 具体的な数字をこの場で申し上げるのは難しいのですが、メーカー保守を続けていた場合と比べて、かなり抑えられているのではないかと感じています。いまや第三者保守の存在は欠かせないものになっていまして、予算計画も第三者保守ありきで立てられています。

——コスト以外に、第三者保守によって得られるメリットはありますか。

佐藤氏 メーカー保守は一般的に5〜7年、特別保証を含めても10年ほどで区切りが来ます。その中で、機器更新のロードマップと保守期限のタイミングは、なかなかきれいに一致しないものです。そのズレを埋めて長いスパンで更新計画を描けることは、現場にとって大きな安心材料になっています。また、投資判断やリプレース時期の自由度が高まったことも大きいですね。例えば、年度によっては「既存システムのEOSLが到来するが、年度計画としては新規設備への投資や対応にリソースを集中したい」という状況があります。そんなとき、無理に更改せず、適切なタイミングが来るまで第三者保守でつなぐという選択ができます。柔軟な判断ができるのは、第三者保守があるからこそだと思っています。

——第三者保守を利用されてきて、印象に残っていることはありますか。

小竹氏 これも担当者から聞いた話ですが、重要性の高い出荷システムのデータベースサーバーに不具合が起きて、夜間の対応になったことがありました。復旧が急がれる中で、データライブの方が立ち会ってくださり、深夜まで復旧を支援してくださったそうです。前任者は、非常に感謝していました。

——運用の中で、課題に感じている点はありますか。

森元氏 システムを長期的に使用するうえで、パーツの確保は課題のひとつです。データライブには毎年契約更新の際に確認していますが、毎回「部品を確保できるだろうか」という不安もあります。そのようなことも一緒に動いてくれるのは、心強いですね。

——昨今は、ハードウェアの調達環境も変化していると聞きます。

小竹氏 特に2025年末頃から、価格の高騰を感じています。納期も遅延しており、発注しても年度内に納品できないと連絡をもらうこともあります。新しいシステムの購入が難しい状況のなか、問題なく使えている機器は可能な限り、第三者保守で長く使い続けたいと考えています。

使えるものは、長く。第三者保守を広く活用したい

——今後、第三者保守の活用について、どのようにお考えですか。

小竹氏 第三者保守について質も対応も満足しており、機器によってはメーカーの特別保証期間を待たずに第三者保守へ切り替えることも検討しています。EOSLを迎える前の機器も、今後、さらに保守対象が広がっていくことを期待しています。EOSL機器への対応や、第三者保守への不安をお持ちの方も多いと思いますが、実際に活用し、私たちは多くのメリットを感じています。まずは一度、詳しく話を聞いてみることをおすすめしたいですね。

製油所内のシステムに不具合が生じれば、出荷業務をはじめとする安定運用に影響を及ぼす可能性があります。一方で、機器である以上、使い続けるほど故障のリスクは高まり、やがてメーカーによる保守期限もやってきます。OTを支えるITインフラに求められるのは、保守期限に合わせて機器を更新することではなく、事業や設備の計画に合わせて最適なタイミングを選択できることです。第三者保守は、その選択肢を広げる一つの方法と言えるでしょう。データライブは、同様の課題をお持ちの企業を今後もご支援してまいります。